個人投資家向け株主総会

   

かつては総会屋対策の名の下に集中日なるものがありましたが、徐々に週末に株主総会を開催する企業が年々増加しているようです。
土日開催、コンサート…株主総会様変わり
増える週末の株主総会 個人株主つなぎ留め

ネット証券の台頭によって個人投資家が増加したことを背景に、これらの個人投資家を積極的な自社のファン層へと囲い込む流れが加速しているということでしょう。いわゆる「開かれた総会」というのが、トレンドから常識になりつつあるのだろうと思います。
記憶が曖昧ですが、最初に先鞭を付けたのは、ゲーム業界のスク・エニさんでしたでしょうか。週末に総会を開いて、株主に家族も同伴可能ということにして、最新のゲームを展示して実際に触って遊んでもらう、というものだったかと。当時IRを主たる業務としていたので、非常に斬新かつ好ましい取り組みだなぁと感心したものです。直接サービスなり製品なりをユーザーに提供していたわけではない当時の会社では、そういうことはできませんでしたが、総会後に会社のビジョンなどを説明する株主向け説明会を催したりしたものです(あまり反応は良くなく、どちらかというと総会出席者に配ったお土産の方が評判だった苦い思い出があります)。


自社のユーザーを株主にという発想は、株主優待などで昔からある手法でしたが、これを積極的にIRという名のもとに本気で取り組んで効果を発揮したのは、カゴメさんが有名ですね。株主に送られる事業報告書を、とにかく自社のビジョン、取り組み、製品、社員で溢れかえる、わかりやすいものにして、個人投資家向けの説明会も頻繁に行った結果、株主全体の中での個人の割合が大きく増加した、と聞いています。
最近は小学生でも証券口座を持っていたりするらしいですので、どこに潜在株主がいるかわかりませんね。そういう時代には、IRは一つの部署が専門的に行うのではなく(もちろん専門部署は必要ですが)、全社を挙げて、製品・サービス提供からクレーム対応や来客対応、HPやリリースの記載など、企業活動の全てにおいて、全社員が潜在株主を意識した、「全方位型IR」というのが理想だと個人的には思います。

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