銀行系VCとの付き合い方

   

ITmediaのアンカーデスクコラムに、保田隆明氏がVCとの付き合い方という内容の記事を書いていらっしゃいます。連載として続くようなので、元IPOコンサルかつ現場担当者の意見ということで、毎回コメントしてみることにします。
ITmediaアンカーデスク:ベンチャーキャピタルとの付き合い方

銀行系VCだと、投資もしてくれるし、本体の銀行からの融資もしてもらえるので、投融資一体型の資金調達が可能となり、非常に便利というような間違った考えを持ってしまっている経営者の方が散見されます。

これについては、保田氏が仰っているように、全くの間違いであると言って過言ではありません。融資と投資とではスタンスが全く異なりますし、そもそも同じ銀行の冠をつけているとはいえ、風土が全く違います。したがって、融資を当てにして銀行系VCを入れるというのは、大きな間違いだと私も思います。


では、銀行系VCを入れることのメリットは何でしょう?
それは、銀行のネットワークの活用以外にありません。通常、取引のある銀行のVCを入れるか、もしくは取引のない銀行系VCを入れた場合は銀行口座も開設するのが常でしょう。言うまでもなく、大手銀行は全国支店網でほとんどの企業と繋がりがあります。このネットワークを利用して、VC&銀行支店に紹介案件を依頼する、というのが、銀行系VCの唯一最大のメリットといえると思います。独立系VCも大手になるとそれ相応のネットワークを持っていますが、その殆どが事業性質上ベンチャー企業です。大手企業との接点においては、銀行ネットワークには敵いません。もちろん、VC担当者、銀行担当者の裁量次第ですので、この辺はしっかり見極めた上で、ネットワークを活かせると考えた場合には銀行系VCを入れるメリットが出てくるということです。
ちなみに、当社は、四半期に一回、株主ミーティングという名目で、各VC担当者に集まって頂き、事業の進捗報告と今後の方針について説明を行い、今必要としているリソースについてお話しして、どこか紹介いただけるところがないかと依頼しています。
VCにとっては、投資先の状況を社長自らIRすることで現状把握できますし、会社にとっても多くの会社を見ているVC担当者からの情報や紹介は事業成長に不可欠なので、両社にとって有益なミーティングとなっています。それ以外にも個別に私や社長が担当者と定期的にお会いさせていただき説明したり、毎月の試算表をお送りするなどして、できるだけコミュニケーションをとるように心がけています。こうした日々の積み重ねによって、両社の関係が良好になり、同じ目標に向かって進んでいけるバートナーとなりうるのだと、私は思っています。

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