監査役と内部監査との連携【内部監査協会セミナー】

   

iiaj今日は、内部監査協会主催の「監査役と内部監査との連携」セミナーに行ってきました。
有料セミナーでしたが、テーマが良かったからか、約200名くらいの受講者が来ていました。

私は、某社では監査役を、某社では内部監査人を務めさせていただいており、両方の立場から興味深くセミナーを受講いたしました。

二部制になっており、一部は監査役協会の常務理事である高橋氏による「監査役監査の役割と業務」という内容でした。
内部監査協会のセミナーに監査役協会の方がいらっしゃるというのは初めてのことだそうです。今後両者の連携が日本企業のコーポレイトガバナンスの向上に資するという期待から両者が歩み寄って今日のセミナーに至ったということです。

受講者である内部監査部門の方々にとっては、監査役監査についてその詳細までは理解が進んでいないというご判断のもとで、こういうテーマにされたのだろうと思います。が、私は、内部監査人たるもの、法令で規定されている監査役監査についての知見等は相当程度あるはずだと思います。ですので、内容的に少しくどい感じだったのではないかと思いました。

内容を簡単にまとめると、

・監査役監査は会社法に規定されている法定監査で、取締役の職務執行を監査し、多数決ではなく独人制が特徴
・内部監査は法に定められておらず会社が自ら行うもので、従業員の業務執行と内部統制システムの評価を行い、組織的監査となっているところが多い
・両者の連携については、まずは被監査部門の負担軽減の観点から重複回避を主とし、網羅的・詳細な監査は内部監査が行い、監査役監査はリスクアプローチにより重点監査を行う

でした。

第二部は、内部監査協会の別府氏による「内部監査部門と監査役会の連携推進」でした。別府氏は伊藤忠さんで監査部長、常勤監査役をご経験された方で、両者の視点を使い分けて講義を進められました。ウィットに富んだ語り口で、会場の空気をつかんでいらっしゃいました。

内容を簡単にまとめると、

・両者は会社の健全な持続的発展を目指して経営を監視するという共通の役割を有する
・日本型ガバナンスに対する(主に海外投資家からの)懸念である、経営監視体制が脆弱であること、に対して、トップを牽制する機関としての監査役会の立ち位置を明確にし、内部監査部門は社長と監査役会の両者に役立つ監査を目指す
・両者の連携は、金融庁・東証からも求められている(コーポレート・ガバナンス報告書に記載)
・監査役会は、内部監査が動きやすい環境を作り、その監査結果を活用する
・連携の方針を社内外に公表していく(ガバナンス模式図では監査役会と内部監査部門を線で結び「連携」と表記する)
・監査役会には「スタッフ不足」「情報が少ない」「体系的監査ができない」といった弱点が、内部監査には「トップ情報を入手できない」「影響力が弱い」といった弱点があり、相互にこれを補完する連携が求められる

でした。

先に一部が少しくどかったと書きましたが、おさらい的に一部があったおかげで、二部のストーリーが頭に入りやすかったことは事実であり、何より、監査役協会の方がいらっしゃったという事実が、これから両者の連携が重要であるというメッセージ的に非常に重要だったと思います。

特に目新しい発見はありませんでしたが、自分の役割について改めて考えさせられるテーマでしたので、受講してよかったと思います。

最後に別府氏が語った面白いエピソードを。
仲の良い部長さんが取締役に昇格されたので、「これから何を取り締まっていきますか?」とお聞きしたところ、「これまで以上に部下を監督し取り締まっていきますよ」と真顔で答えられたとのこと。伊藤忠ですらこれですから、取締役は他の取締役の行為を監督する、なんていうことをわかってる取締役なんて、実際にはほとんどいないんですよw。

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