総会出席株主の議決権行使結果把握の事例【CCC社】

   

回覧で回ってきた「商事法務8/5-15合併号」に、標記に関しての興味深い記事が掲載されておりましたので、紹介・一部転載させていただきます。

六月定時株主総会における開示の充実等への企業の対応 - 有報の総会前提出と総会当日の議決権行使結果の集計に関する先進的事例/大橋博行氏(理経社外監査役・カルチュア・コンビニエンス・クラブ前社外監査役)

この中で、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下、CCC)が本年6月の株主総会にて出席者の議決権行使結果をすべて集計し開示した手法が詳しく記載されていました。

CCC

ご承知の方もいらっしゃるとは思いますが、2010年3月31日施行の開示府令の改正で、株主総会における議案ごとの議決権行使の結果(得票数等)を臨時報告書で開示することが義務付けられました。本件については、実務上の便宜を考慮し、総会出席株主の議決権の数の一部を参入しなかった場合には、その理由を記載すれば足りるとされています。結果的に6月総会会社のほとんどが、従来どおりの拍手等による採決方法により総会に当日出席した株主が行使した議決権行使結果については、その全部の集計を行わず、事前行使分及び出席した大株主分の集計により可決用件を満たし、会社法にのっとって適法に決議が成立した旨の理由を記載するにとどまりました。中にはマークシートで記入してもらいリーダーにかけて集計するシステムを開発して実現した企業もありましたが、手間とコストの両面でこうしたシステムを導入する企業は今後もそれほど増加しないだろうと思います。
そうした中で、CCCが採った方法は、手間もコストもそれほど要せずに出席株主の議決権行使結果をすべて集計したものであり、今後の総会の運営方法において非常に参考になる実例と言えると思います。

具体的な方法は次のとおりです。
1.総会の受付に株主が議決権行使書を提示した際に、引き換えに入場票と一緒に、クリップペンシル付きの「議決権行使結果確認用紙について」という書面を手渡します。
2.書面には次のような趣旨説明と投票方法が記載されています。
「本年より、法令の改正により、議決権行使結果の公表が義務付けられました。
当社では本日ご来場いただいております株主様の議決権行使の結果も含めて公表したいと考えております。
つきましては、入場票の裏面に「議決権行使結果確認用紙」を設けておりますので、株主様が議案採決の際に示された、「賛・否・棄権」の別をご記入の上、お帰りの際に回収箱にご提出いただきますようご協力お願い申し上げます。」
3.総会の冒頭においても口頭で同様の説明がなされました。
4.入場票の裏面は、「議決権行使結果確認用紙」と題され、正式な議決権の行使はあくまで拍手等による議場での意思表示であり、総会後に回収する当該用紙の提出はその確認のためにすぎない旨が明示されています。つまり、「採決」は「拍手」、その結果の「証拠」が用紙回収という形です。
5.確認用紙には、「私は下記(賛・否・棄権を○で表示)のとおり議決権を行使しました」として、議案ごと(役員選任は候補者ごと)に賛・否・棄権の記入欄が設けられています。
6.取り扱いに関しては、書面と用紙の双方に次のように、想定される行動に応じて集計上疑義が生じないように取り扱いが明示されています。
・全議案に賛成の場合は、特に記入の必要はございません。
・ご提出いただかない場合は全ての議案に賛成したものとして集計させていただきます。
・賛・否・棄権のいずれにも○印がない場合は、賛成したものとして集計いたします。

総会翌日に提出されたCCCの臨時報告書には、次のような注記がされています。

株主総会当日に出席した株主の賛成、反対及び棄権の意思の表示に係る議決権の数は、閉会後における当該株主からの議決権行使結果確認用紙の提出による確認に基づくものであり、必ずしも正確な数値とは限りません。なお、議決権行使結果確認用紙を提出しなかった当該株主については、全ての決議事項に対して賛成の意思の表示を行ったものとして集計しております。

そして、株主総会に出席した株主の議決権の数の一部を加算しなかった理由については、「該当事項はありません。」と記載されています。

CCCでは、法務部門を中心に外部の弁護士の意見も聴取した上で、いわゆる出口調査方式による、出席株主の議決権行使結果の集計を実現したとのことです。簡便方式ではあるものの、総会にわざわざ出席してくれた株主の意思を十分に尊重し反映した集計を実現しており、法改正の趣旨にも沿った手法として、大変注目に値するものだと思います。
3月決算会社においては次回6月に、これから総会を向かえる会社においてはその際に、採用の有無を検討されてみてはいかがでしょうか。

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