頑張れ!フォンツHD

   

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面白いと言っては申し訳ないのですが、やっぱり面白いとしか言いようがないプレスリリースがあがっていたので、ご紹介しときます。

大阪証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ

株式会社フォンツ・ホールディングス(旧ダイキサウンド株式会社)が、有価証券上場規程第37条第1項の規定に基づく「改善状況報告書」を提出しました。

有価証券上場規程第37条第1項というのは何かというと、同じ名前の規程が東証、大証にあって、大証にはさらに「JASDAQにおける有価証券上場規程」というのが別にありまして、非常に紛らわしいですが、同社の場合はJASDAQ上場企業なので、この「JASDAQにおける・・・」を参照すれば良いことがわかります。

JASDAQにおける有価証券上場規程

第37条
前条第3項の規定により改善報告書を提出した上場会社は,当該改善報告書の提出から6か月経過後速やかに,改善措置の実施状況及び運用状況を記載した報告書の提出を行わなければならない。

第36条3項
上場会社は,前2項の規定により改善報告書の提出を求められた場合は,速やかに当該改善報告書の提出を行わなければならない。

第36条2項
本所は,前項の規定により提出された改善報告書の内容が明らかに不十分であると認める場合には,当該上場会社に対してその変更を要請し,当該改善報告書の再提出を求めることができる。

第36条
本所は,次の各号に掲げる場合において,改善の必要性が高いと認めるときは,当該上場会社に対して,その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることができる。
(1) 上場会社が,適時開示等規則第2章の規定に違反したと本所が認める場合
(2) 上場会社が,企業行動規範に関する規則第2章の規定に違反したと本所が認める場合
(3) グロースの上場会社が,第21条(第4項を除く。)又は第22条の規定に違反したと本所が認める場合


ここまで遡って読んでやっと理解できるというのが、法律らしいとこですね。

つまり、適時開示等規則第2章に違反したので改善報告書を提出して、6ヶ月経過したので、改善状況の報告書を出さないといけない、ということです。

ちなみに、適時開示等規則第2章は、「会社情報の開示」ということで、適時開示しなければならない項目が列挙されているものです。これに違反したというのは、開示すべき情報をちゃんと開示しませんでした、ということです。

フォンツHD社の場合は、22年8月決算において、短信を1日遅れの10/21に発表した後、11/1、11/5、11/26に大幅な修正をした、というものです。

修正に至った原因がこれまた大変で、8月決算なのですが、5月に取締役管理部部長が退職し、6月にも管理部社員が退職して、決算作業従事者が従前5名だったところが、2名になってしまったとのことです。これでは、さすがにまともな決算を組むのは無理だったでしょうね。

この時点で無理だと経営者が認識して、外部の専門家を積極的に投入するなどしていればまた話は変わってきたのでしょうが、決算業務というものへの理解が不足していたのでしょう、その体制のまま決算へ突入してしまったわけです。トップの、決算も含めた経理とか管理とかについての意識の低さが露呈した結果と推量されます。トップも社内もそういう意識だったからこそ、問題の取締役管理部部長さんも「やってられない」と辞めてしまったのではないかと思います。実際、改善報告書内にも「営業主導の体質が強く、管理部門の組織や機能の整備を後回しにする傾向が増してきた」と管理体制の弱さが記載されています。

過去の有報を見ると、どうやらお辞めになった管理部部長さんは会計士のようです。社長を含めてその他の役員はミネルヴァ債権回収という企業再生の会社(親会社)からやってきていて、この管理部部長さんは監査法人出身です。皆さん平成21年就任なので、1年ちょっとで分裂ということみたいですね。5期連続赤字で単体は債務超過、キャッシュも1億ちょっとしか無くなってますので、相当厳しかった(今もたぶん)と思いますね。管理部長の重圧たるや想像を絶しますが、それでも、よほどのことが無い限り、任期途中で部下も一緒に辞めてしまうなんていう蛮勇は、上場企業のCFOとしてちょっと許しがたいものがあります。せめて決算終わらせて総会で辞任というのが筋ですよね。

まあ、トップを含めた残った経営陣にもこの管理部長にも、それぞれ言い分はあるでしょうから、外野がとやかく言うことではありませんが。

その他にも、いろいろと興味深い内容が盛りだくさんの報告書になってますので、経営や管理に関わる方にはご一読して他山の石にされてはいかがかと思います。

フォンツ社さんにおかれましては、ここに記載された対策が功を奏して、しっかりとした会社になって、業績も回復されることを祈ります。
(しかし、社名変更したばっかりだと言うのに、このロゴのセンスの無さはいったいどういうことなのかと、小一時間問い詰めたい。)

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