3分でわかる下請法

   

shitaukeho
10/14付にて、株式会社タカキューが、公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(通称「下請法」)違反の勧告を受けました。
www.jftc.go.jp/pressrelease/11.october/111014.pdf
www.taka-q.com/company/pdf/taka_q_ir209.pdf
景気の先行き不透明感に加えて震災や電力不足などの不安要素もあり、企業を取り巻く環境はますます厳しくなっており、その圧力が下請け先に不当に転嫁されるおそれが高まっているように思います。

ところで、下請法について、ご存知でしょうか?
知っていて違反するのはもってのほかですが、知らずにやってしまって勧告を受けたりすると、コンプライアンス違反でもあり、企業としての法令順守姿勢を問われる大きな問題になりかねません。
相当意識の高い一部の企業においては、下請法についての従業員への教育研修なども実施されているようですが、多くの企業ではそこまで対策をとれておらず、結果的に違反行為をしてしまうおそれがあります。親事業者と呼ばれる地位に当たりうる会社においては、コンプライアンス関連部署が先頭に立って、啓蒙活動に取り組む必要があると思います。

ということで、「3分でわかる下請法」と題して簡単に制度を説明します。

【下請法の対象】
2種類あります。
1.物品の製造・修理委託及び政令で定める情報成果物・役務提供委託
 注1)政令で定める情報成果物=プログラム
 注2)政令で定める役務提供=運送、物品の倉庫における保管、情報処理
2.情報成果物作成・役務提供委託(政令で定めるものを除く。)
です。

【該当案件】
上記1と2とでは、該当する案件が異なります。
1の場合
(1)資本金3億円超の会社が資本金3億円以下の会社に委託する案件
(2)資本金1千万円超3億円以下の会社が資本金1千万円以下の会社に委託する案件
2の場合
(1)資本金5千万円超の会社が資本金5千万円以下の会社に委託する案件
(2)資本金1千万円超5千万円以下の会社が資本金1千万円以下の会社に委託する案件

ちょっとややこしいのですが、押さえるべきポイント1つ目は、自社の資本金がいくらなのかという点です。3億円を超えている会社であれば、委託元として上記1(1)と2(1)が該当します。3千万円であれば、上記1(2)と2(2)が該当します。

ポイント2つ目は、相手先の資本金がいくらであるかです。下請法の対象範囲は大きな会社が小さな会社と取引する場合ですので、自社より資本金が大きい会社との取引は対象外です。資本金が自社より小さい会社の場合、どのくらい小さいかによって扱いが異なるので、それを上記で判別します。

あとは、取引内容が1か2のどちらに当たるのかを判断すれば、下請法に該当する案件かどうかがわかります。

【義務事項】
該当した場合、どうなるかというと、まず下記に定めることが義務付けされます。
(ア)書面の交付義務
(イ)書類の作成・保存義務
(ウ)下請代金の支払期日を定める義務
(エ)遅延利息の支払義務
大きい方の会社が、発注書のような書面をちゃんと作って、渡して、支払日を決めて、遅れたら利息を払いますよ、ということです。

【禁止事項】
さらに、下記事項が禁止されます。
(ア)受領拒否の禁止
(イ)下請代金の支払遅延の禁止
(ウ)下請代金の減額の禁止
(エ)返品の禁止
(オ)買いたたきの禁止
(カ)購入・利用強制の禁止
(キ)報復措置の禁止
(ク)有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
(ケ)割引困難な手形の交付の禁止
(コ)不当な経済上の利益の提供要請の禁止
(サ)不当な給付内容の変更・やり直しの禁止
大きいほうの会社は、小さいほうの会社に責任がない場合に、納品物を受け取らないことや、支払いを遅らせることや、減額を要求することや、返品することや、安く買いたたくことや、違反行為を通報したことを理由に取引を減らしたり、その他諸々やっちゃだめですよ、ということです。

以下、FAQから汎用性の高い留意事項を抜粋しておきます。
・親子会社間での取引も対象となりますが、議決権の50%超を保有する場合は運用上問題になりません。
・派遣は、委託ではないので対象になりません。
・販促用のポスター、チラシなどの作成も対象となります。
・弁護士等との顧問契約は委託とはならず対象外です。
・電話のみによる発注は,書面の交付義務違反となります。
・発注から契約締結までに日数を要するのであれば、発注後、直ちに、契約書とは別に必要事項を記載した書面(3条書面)を下請事業者に交付し、義務を履行する必要があります。
・単価の引下げについて双方が合意した日(合意日)と新単価の適用を開始することとした日(単価改定日)が異なる場合には、合意したからといって単価改定日より前の発注について新単価(旧単価より低い金額)を適用すると、下請代金の減額に該当し、下請法第4条第1項第3号の規定に違反します。
・受入検査を行い、いったん合格品として取り扱ったもののうち、直ちに発見することができない瑕疵があったものについては、受領後6か月以内であれば返品することができます。

以上、下請法について簡単に解説させていただきました。

知らずにやってしまって後から問題になると厄介ですので、ぜひ知っておいていただきたく思います。ちなみに、来月(11月)は毎年恒例の「下請取引適正化推進月間」で、今年のキャンペーン標語は「交付しよう 発注書面 トラブル回避の第一歩」です。

公正取引委員会:下請法

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